いや〜、ついこないだ、特集その1の「夏の暑さ対策」を書いたばかりなのに、いつのまにか本格的な冬を迎えようとしていますね。
いや〜、時が過ぎるのは早い早い、秋は短いですね(ここ数ヶ月特集を組んでなかったんだけどね)!
というわけで、おいらが住んでいる熊本もすっかり寒くなっちゃって、起きる時間がちょっとずつ遅くなってきています。
九州より、もっと北に住んでいる人は、たぶんおいらのところより、もっと寒いんでしょうね。
アクアリストにとって、夏も大変だけど実は冬も大変なんですね。
アクアリストだけじゃなくて、飼われている熱帯魚はもっと大変なんです。
多くの熱帯魚のふるさとの熱帯地方というのは、あたりまえですが冬がありません、というより四季がありません。
その魚たちにとって氷点下も珍しくない日本の冬というのは、遠く離れた熱帯魚の故郷とは似ても似つかない環境です。
熱帯魚を飼っている人なら、水槽内の温度を一定に保つヒーターを持っていると思いますが、それだけでは万全ではありません。
今年の冬は一味違うといわれていますが、来年の春まで、かわいい熱帯魚を無事に守りきるよう、おいらと一緒に厳しい冬対策をほどこしていきましょう。
ここで、冬の恐ろしさを分かってもらうために、あえておいらが「冬における熱帯魚飼育」で失敗したことを、恥をしのんでぶっちゃけましょう。
まず、おいらが熱帯魚を飼育して初めて迎えるある冬の土曜日のことです。
寒くなると100人中99人が水替えがおっくうになるといわれてますが、おいらも、まさにその状況になっていました。
しばらく水替えをしてなくて(1ヶ月半くらい)、いい加減水替えをしないとまずいよなということで、年末の大掃除を兼ねて水槽の大掃除&水替えを実行しました。
水がかなり汚れてたんで、水槽の半分ほど水替えをしたんだけど、水槽の水が減ると危ないんでサーモのコンセントは抜いておいたんですね。
掃除が終わってから、コンセントを差しなおすのを忘れていたのはまずかったですね。
夜ライトを消すとき気づいたら水温が15度まで下がっていました。
まあ、幸い魚は死ななかったんでよかったんですが、これは多分ライトをつけていたおかげで、ある程度温度が保たれたからじゃないかと思います。
このような経験は、熱帯魚飼育を長くやっている人は、結構経験してるんじゃないですかね。
ちなみに、これより危ないのにヒーターをサーモじゃなくてコンセントに直接つないだというのがありますけど、これはもう笑い話ではすみませんね。
いくら冬でも、これでは魚を煮殺してしまう可能性が高いし、下手すれば火事を起こすかも知れないんで気をつけましょうね。
体験1はおいらのうっかりミスなんですけど、機械の故障のせいで大事な魚を死なせてしまったことがあります。
やはり、冬真っ只中にあった事件ですが、気温は何度か覚えてないけど、外には氷が張ってたんで、少なくとも氷点下だったことは間違いありません。
だいたい、おいらは仕事行く前に魚たちに餌をやっていくんですが。
いつもなら、水槽に近づくだけで水面近くに寄ってくるのに、この日は餌を水槽の中に入れても下のほうでじっと動かなかったんですね。
それどころか、やっと青くなってきたと思ってたアーリーがフィルターの吸い込み口のところに横たわっているじゃないですか。
おかしいと思って、水温計をみたら、なんと5度を指してるじゃありませんか。もう、慌ててぬるま湯を入れるなど対処したんだけど、結局、3匹が帰らぬ魚となりました(それでも、3匹というのは運が良かったほうだと思います)。
原因を調べてみると電子サーモが壊れていることが判明。
暖め中のランプはつくんだけど、ヒーターに電流が流れていなかったんですね。ヒータは壊れてなかったんで予備のサーモに変えて乗りきりました。
去年の12月なんだけど、仕事が忙しくて10日ほど家に帰らないことがあったんですね。
こうなることがわかってたんで、嫁さんには実家に帰ってもらい、魚たちのご飯はフードタイマーをセットして準備ばんたんで出かけました。
10日後に、へとへとになって家に帰ってみると、水槽の水が3分の1くらい無くなっているもんで、水槽が割れたんじゃないかとものすごく慌てましたよ!
別に水槽は割れてなかったんですけど、寒い日が続いたんで、ヒーターは全開、水もじゃんじゃん蒸発してたみたいで、ヒーターはもうすぐで空気中に出かかってるし、水草は水面から出てるし、大変でした。
冬の寒さ対策は大変ですが、なぜ大変なのか整理してみましょう。
まず、ヒーターの稼働率が高いということがあげられますが、このことは、ひいてはヒーターの故障、電気代の増加につながります。
特に水量にあってないヒーターを使用すれば、ヒーターがフル稼働しても追いつかないと言ったことも生じます。
特に、上下2段、3段に水槽を設置してる場合、一般的に下段にいくほど冷やされやすいということを頭に入れて、水温をチェックしてください。
チェックしにくいんで、下の方の水槽というのは結構適当にやってしまいがちなんで!
次に、ヒーターを使っても均一に暖められないという問題があります。これは暖かい水は上に、冷たい水は下に行くようになってるので、ある程度仕方ないかもしれませんが、ヒーター及びサーモの設置場所、水槽のレイアウトによっては、水槽の違う箇所でかなり水温が違うことがあります。
特に大きな水槽にヒーターが一つという環境では、この温度差が3〜4度になることもあります。
次に失敗談にもありましたが、冬場の水の蒸発は半端ではありません(実は夏は夏で蒸発するんだけどね:特集その1参照)。
水の蒸発は、水温を下げるし、水を足さなくちゃならないし、水槽の周りが湿っぽくなるなど、いいことは一つもありません(加湿器の代わりに使うなら別ですが)。
あと、電気代の増加、これは如実な問題で、場合によっては「こんなに電気代がかかるなら、熱帯魚飼育は禁止」と嫁さんやお母さんから熱帯魚飼育禁止令が出されることもあります。
たくさんの水槽を持ってる人なら、電気代うんぬんの前に、ブレーカーが頻繁に落ちるといったことも起きるでしょう。水槽4本持っていて、それぞれ300Wのヒーターを使っていると仮定すれば、それらがいっぺんに動いたら1200Wにもなります。これは電子レンジやエアコン並の消費量です。
あとは、ちょっと違うかもしれませんが、冬は突然やってくるということです。
おいらは、だいたい5月ぐらいになるとどうせヒーターも稼働しないし、じゃまになるということで、寒くなるまでサーモとヒーターを水槽から外しています。
暑い暑いと思ってたら、いきなり冷え込んで冬になりますもんね。水槽の温度が20度ぐらいになってきたんで、ついこないだサーモとヒーターを設置し直したんだけど、そのうちの一つのヒーターが壊れていたんで急遽買いに行かなくてはならないというハプニングもありました。
日頃の心構えが肝心でで、早めは早めの対応が大事です。
今まで述べたように、冬の寒さ対策といっても、単純にヒーターで暖めておけばいいものではないんですね。
なかなか、奥が深いんです。
それでは、理想のヒーティング、効率のよいヒーティングとは、どういったものか?
するしないは別にして、さっと勉強していってみましょう。
まず、なくてはならないヒーターから見ていきましょう。
理想を言えば、一つの水槽に2本のヒーターを使用した方がいいです。
これは、万が一どちらかのヒーターが壊れたときでも、最悪の状態にならずに済みます。
いくつも水槽を持っている人は、かなりの出費を覚悟しなくてはなりませんが、大事にしている熱帯魚にもしものことがあってからでは、間に合いませんのでよく考えてください。
たくさん持ってれば、ほかの水槽のヒーターが壊れたときスペアとして使えるので、ぜひ実践してください。
この場合、ワット数をどうするですが60cm水槽なら150Wを2本、90センチなら200W(できれば300W)を2本ぐらいあれば、余裕のあるヒーティングが期待でき、ひいてはヒーターの故障の可能性も減ります。
そして、ヒーターの種類ですが、白いやつ、黒いやつ、大きいやつ、小さいやつ、いろいろありますが、これは好みの問題です。
個人的に言えば、黒いやつで小さいのが目立たないんでお勧めですけど。
サーモ内蔵型のヒーターは場所をとらないんで、コンパクト水槽にはお勧めです。
あと、空気中で電源が入った場合安全装置が働くヒーターというのも出ています、安全性第一の方は試してみてもいいでしょう(普通のヒーターなら、地震なんかで水槽が割れたら、火事の危険があるもんね)。
ヒーターの設置は、2本のヒーターはそれぞれ離して設置、かつなるべく、縦には設置しない(特に高さのない水槽では危ない)。
また、サーモや水温計から離して設置が基本です。
あっと、それから砂の中に埋めて使用するというのもやめましょう。
次にサーモスタットですが、これは、できるならバイメタルを利用したものより電子(IC)式のものを利用した方が無難です。
バイメタル式だと、機械的な接点があって、使っていくうちに、そこに炭素が付着してずっと電気が流れっぱなしという事態が起こりかねないからです。
設置の仕方はヒーターのところにあるので、ここでは言いませんが、ただ、サーモの温度設定は随時、温度計などで確認をしておいてください。ヒーターやサーモの故障で水温が低くなったり、熱くなったり、掃除なんかでちょっとサーモのつまみなんかを回して設定温度が変わることがありますので。
次にどうしたら、水槽をまんべんなく暖めることができるかですが、これは、淀みない水の流れを作ってやることで、水を対流させることです。
といってもレイアウト次第なのでなかなか難しいんですが、例えば、上部フィルターでは、単に水を上から水を落としているだけですが、この落とし口の真下に適当な石を吸い込み口の方に傾斜させるといった工夫をすれば、かなり水の循環がスムーズになると思います。
外部フィルターの場合は、パイプのシャワー穴を斜め下に水が出ていくようセッティングしてやれば、螺旋状に水が対流します。
なかなか、温まらないのが底砂なんですが、これがなかなか難しく、水の温度が適温でも、砂の中の温度はそれ以下になります。
このことは、水草の根に直接影響を与えるので、水草主体の水槽では、この対策も講じておく必要があるでしょう。
この対策としては、部屋全体を暖める、専用のラインヒーターを砂の中に入れる、底面フィルターの下にヒーターを設置するといった方法があります。
しかし、欠点があり、部屋全体を暖めて対応しようとしても、部屋の温度を30度ぐらいにしないと効果はないし、ラインヒーターなんかは温度むらができてしまって、下手すると逆に水草の根を傷めてしますこともあると言うことです。
水の蒸発の問題もありますが、これはガラスふたをしっかりして蒸発を最小限にくい止めるといった方法くらいしか対策がありません。蒸発すると熱も一緒に奪っていくので、蒸発すればするほど、温度を保つためにヒーターを回さなくてはならないということを覚えておきましょう。
なぜ、蒸発しやすいのかも知っておくと、対策がたてやすいかもしれません。これは、水槽内の水温と外気温を比べた場合、明らかに水温の方が高くなります。
しかも、冬場は空気が乾いてるので、思った以上に水が蒸発する原因です。
冬に川から湯気が出る、寒いのに洗濯物がよく乾くといった経験はだれもがあると思いますが、理屈はこれらといっしょです。
もしも、不幸にしてヒーターやサーモが壊れてしまったら、どうやって対処してやったらよいでしょうか。
この場合、お湯を入れてやるしかないんですが、熱湯をダーッ、と入れたらいけませんよ。魚や水草がやけどしますからね。
基本は時間をかけてゆっくりとです。
急激な水温の変化は魚や水草に大きな負担をかけます。
やり方としては、ビニール袋やペットボトルに、50〜60度くらいのお湯を入れて浮かべておくとかしておきます。バケツなどから水槽にお湯を入れる場合でも、ゆっくりと手のひらや皿などに一度お湯を受けさせてから水槽の中に注いでいきます。
5分に1度くらいの割合で、温度を徐々に上げていくのがポイントで、温度計を見ながら行ってください。上がりすぎるようなら、作業を中止して様子を見てください。
また、平行して正常なヒーターやサーモスタットをセッティングするのも忘れずに!
ヒーターやサーモを正しくセッティングしても、あまり負担をかけると壊れてしまう可能性も高いし、電気代も馬鹿にならないので、他に可能な防寒対策を考えてみましょう。
人のいる部屋は昼間は暖房なんか入れてるので、そこそこの気温はありますね。
しかし、寝るときは暖房なんかは切るので、急激に気温は下がっていきます。
また、玄関なんかに設置している場合でも、当然昼間より夜の方が気温は下がるので、水槽も冷やされます。ちなみに一番寒いのは太陽が昇る前の朝方です。
水槽の温度を下げないようにするためには、気温を高くする方法と、水槽が冷やされるのを最小限にするという方法がありますが、気温を高くするには暖房器具が必要で非現実的なんで、水槽をあまり冷やさない工夫をしてみましょう。
簡単なのは、水槽を布やビニールで巻いてやることです。
効果が大きいのは発泡スチロールですかね。
これを、水槽の側面と背面をくるんでやります。
さらに、鑑賞するとき以外は前面も囲ってやれば効果は大です。
発泡スチロールだと危険だけど、厚めのゴムマットなんかを水槽の下に敷いてやると完璧です。
発泡スチロール以外に厚手のビニールやお古の毛布でくるんでやってもいいと思います。
ちなみに、おいらは水槽をキャビネに2本上下に並べているので、まず、毛布ですっぽりと包み込み、さらに行楽用レジャーシートで囲ってます。
さらに、ガラス蓋に餌をやるための隙間があいてるんだけど、ここを小さなゴムマットでふさいでいます。
やっているのは、ライトを消す夕方から朝方までだけど、結構効果あるんじゃないですかね。電気代に顕著な効果がでたかどうかは定かではないけど、水の蒸発は目に見えて少なくなってきていますからね。
あと、番外編としていくつかありますが、その一つとして、水槽を同じ部屋にたくさん設置している人に有効な方法があります。
いわゆる熱帯魚屋さん状態のことですが、この場合、防寒対策も熱帯魚屋さんと同じようにやってみたらという方法です。
プロである熱帯魚屋さんでは、基本的にヒーターを水槽に入れていません。
なんと、店全体の気温を上げることで、水槽の水の温度を一定に保つのです。
これは、結構メリットがあって、すべての水槽がほぼ同じ水温に保てる、ヒーターを使わないんで魚や水草がやけどすることはない、水槽内の温度むらがほとんどない、メンテナンスが簡単、などなどがあります。
しかし、その反面デメリットもあり、水温を25度ぐらいに保つには、部屋の温度を24時間30度程度にしてやる必要があります。
ということは、そこには、普通の人が生活できる環境でなく、完全な水槽部屋としてしか使えません(まあ、初めから水槽部屋なら、全然OKですが)。
電気代や灯油代もそれなりにかかりますがメリットも多いので、いっそのこと、観葉植物なんかも、全部その部屋に集めてきっぱり温室として使ったらどうでしょうか。
いままでは、水温を一定の温度に保つよいヒーティングの方法、効率よく保つ防寒の方法を見てきました。ここでは、おいらが実践している主に電気代圧縮に効果のある方法をお教えします。
ただし、この方法は非合法?なもので、熱帯魚の本などには紹介されていませんので、あくまで自分の責任で行ってください。
その禁断の方法とは、なにも難しいものでなくて、単に魚の方を低温に慣れさせるというものです。ちなみにおいらが飼育している熱帯魚は、冬の間21度という水温の中で生活しています。
ポイントは、、これは2〜3日かけてじっくりと水温を落としていきます。
急激な温度変化には、魚も調子は崩すかもしれないけど、少しずつの変化には結構適応力があって大丈夫みたいです。
おいらのところの魚も水草も、水温を下げる前と全く変わらず、元気に泳いだりしてます。
気温と水温の差が少ない方が熱の発散は少なくなります。ということは、気温が変わらなくても、水温を下げれば(下げすぎてはいけません。熱帯魚の調子が悪くなる可能性があります)、省エネが可能なのです。
防寒対策を施して、さらにこの方法を使うと相乗効果が期待できるので、興味のある方は試してみてください。
ただし、危険なので、注意深く魚を観察し、おかしいようだったら即中止してくださいね!