特集その4

熱帯魚が病気にならないために!

2000.8.1

 特集その3では、熱帯魚が病気になったときの症状と対処法を書きましたが、やはり一番大事なのは熱帯魚が病気になるのを未然に防ぐことですよね。

 今回の特集ではそのあたりを見ていきたいと思います。
 熱帯魚を飼育していくうえであたりまえのことなんですけどね。

 熱帯魚からのシグナル

 熱帯魚が調子を崩したときは、なんらかの症状があらわれるので、飼育してる人はそれを見逃さず、手遅れになる前に対処をすることが重要です。
 初期症状に気づき、適切な対処をすれば助かる可能性は高いですから、日頃からの観察をしましょうね。

 それでは、調子を崩したとき熱帯魚はどのようなシグナルを送るかを見てみましょう。

・体色がくすんでいる、ツヤがない。
・目が白っぽい、白い膜がはっている。
・呼吸がいつもより早い。
・じっとして動かない、ヒレをたたみ気味。
・異常に動き回る。
・水面付近で口パクしている。
・体表を岩などにこすりつける。
・体表がぼろぼろになってる。
・餌をあまり食べない。
・ひっくり返って泳いでいる(危険)。

 まあ、いつもと様子が違うと感じたときは黄信号だと思ってください。

 環境のチェック 

 なんか、いつもと魚の様子が違うなと思ったら、水や魚の相性など環境に問題がある可能性があるので、下記の事柄に問題がないかチェックしてみましょう。

・フィルターや底砂が汚れてないか?
・水換えをいつしたか?
・pHが下がりすぎてないか?
・最近新しい魚を入れてないか?
・水温変化が大きくないか?
・いつも追いかけられている魚はいないか?
・餌は適量か、餌が古くないか?
・魚を入れすぎてないか?

 1 フィルター、底砂の汚れ

 魚が体調を崩す原因で以外に多いのが、フィルターや底砂の汚れです。
 水換えはちゃんとやってるのに、魚の調子がおかしいというときは疑っていいでしょう。
 フィルターや濾材も長く使っている内に、汚れで目詰まりをおこし流量の低下がおきます。
 また、汚れや酸素不足でバクテリアの数もへっていきます。
 こうなると、当然濾過能力が低下するので、水の濾過が不完全になってきます。
 水替えのときにバケツに水槽の水を取って、定期的に濾材も洗って汚れを落としてやりましょう。

 もうひとつ盲点なのが底砂の汚れです。
 底砂はもうひとつのフィルターの役割をしていて水の浄化に一役かっていますが、底砂が汚れて腐敗すると、濾過がされなくなるばかりか魚にも水草にも悪影響を及ぼします。
 底砂が汚れると固まった感じになり、ひどくなると砂をいじったときに腐敗したガスであぶくがでることもあります。
 水槽の水換えの時は、掃除用のホースを底砂につっこんで可能な限りかき混ぜるようにして砂の汚れを取ってやりましょう。
 水草がびっしり植わった水草では掃除がしにくいと思いますけど、範囲を区切って植え替えをしながら汚れを取り除いていきましょう。

 2 水替えの不足

 魚が調子を崩すもっとも基本的な原因で、これは水替えを数ヶ月やってない場合、水替えをしすぎる場合の両方で問題が起こる可能性があります。 

 まず、魚の調子がおかしいなと感じたとき、そういえばここ3ヶ月くらい水替えをしていないなと思い当たることがあったら(おいおい、遅いって!)、水換えの不足を疑いましょう。
 よく熱帯魚の本とか雑誌には1週間に1回3分の1程度の水換えを、というふうに書かれてますが、実際は数週間〜1ヶ月に1回程度でも問題ないこと多いです(ケースによるけど)。
 というのは、熱帯魚の多くは少しずつの温度変化や水質の変化には結構強いからなんです。
 でも、やはり限度というものがあって、何ヶ月も水替えしないと、水は透き通っていても水質はかなり悪化していることが多いからです。
 この時点で魚の調子が悪くなってきたなと気づいても、慌てて大量の水換えをするのは危険です。
 たぶん、長期間水替えしなかったことで、かなりpHが下がっているので、大量の水換えは魚にpHショックを与えて、よけい体調を崩すことがあるからです。
 この場合、5分の1の水換えを数回、何日かかけて行うとショックが少なくていいと思います。

 3 pHの降下

 2の水換えの不足にも関係あるんですけど、例え1・2週間に1回水換えをしていても、魚が多すぎて濾過が追いついてない、餌を入れすぎて食べ残しが多い場合などは、pHの低下や水質の悪化が著しく、水換えが追いつかないことがあります。
 この場合、比較的短期的にpHの低下・水質の悪化が進行するため、魚にかなりの負担がかかります。

 ケースによって変わりますが、60cm水槽に上部フィルターという構成なら、小型テトラ3.40匹、エンゼル一種なら4.5匹ぐらいが適当な量ではないかと思います。
 客観的に入れすぎと感じているなら、水槽を増やす、外部フィルターなどを追加するなどの対応をとったほうが、魚も飼育者も幸せになれると思います。

 餌の与えすぎというのも調子を崩す原因のひとつで、餌の食べ残しは魚の排泄物より水質を悪化させます。
 人工飼料等は食べた後に水分を吸収し膨張するので、餌の与えすぎは魚にとっても負担が大きくなります。
 日頃から魚を観察し、おなかがへこんでないぐらいの量を与えることが重要です。

 4 新しいタンクメイトからの感染

 水質等に問題はなくとも、新しくタンクメイトを追加したとき、その魚が病気をもっていて、水槽内の魚に感染し調子を崩すことがあります。
 この場合は結構深刻で、観察して調子がおかしいと感じたら、すぐさま「特集その3」の症状に対応した治療をする必要があります。

 これこそ予防が大事ですが、ポイントはショップの水槽で病気が発症している魚、死んでいる魚が入っている水槽からは購入しないこと、予備水槽などで何日か浴槽させることです。
 もしも、水槽内で病気が広がってきたら、症状が少しでもでている魚は隔離させるなどの対応をとりましょう。

 5 水温の変化

 春や秋におきやすいんですが、水温の変化が大きいと人間といっしょで体への負担が大きくなります。
 水槽に取り付けるヒーター、サーモスタットは水温を一定に保つためのものですが、実際はある一定の水温以下にしないだけです。
 だから、朝や夜の気温が下がるときはヒーターが働いて水温を一定に保ちますけど、昼間の暑いときは気温に対応して水温も上昇するだけで、ヒータは役に立ちません。
 このように、朝、昼、夜と短時間で水温が上がったり、下がったりするので体調を崩す可能性があります。
 これといった対処法はないですけど、知ってるとガラス蓋を外したり、ライトを消したりとある程度緩和することはできます。

 6 力の不均衡

 シクリッド、アナバスなどケンカが絶えない魚は多いですが、おとなしい魚でも大きさや相性でケンカする可能性はいくらでもあります。
 この場合、体調が悪くなるのは数匹だけですが、時間がたてばたつほど確実に弱っていくので、対処は早めにすべきでしょう。
 肉食魚なら捕食するために追いかけるのも分かりますが、捕食以外に、なぜ魚はケンカするのでしょうか。
 そもそも、ベタなど特殊な魚を除いて、ケンカをするのは大抵縄張りを守るためにケンカをします。
 特に産卵中や産卵が近い魚はこの傾向が強くなります。

 このことが分かれば、対処法もいくつか分かってくると思います。
 具体的には、しきりを設ける、レイアウトを変更してやる、レイアウトを複雑にしてやる、縄張りとなる物をなくしてやる(ベアタンクなど)などがあります。

 7 鮮度の落ちた餌

 原因が分からないのに魚が体調を崩すとき、もしかしたら餌が悪くなっている可能性があります。
 ほとんどの飼育者はフレークフードなどの人工飼料を与えていると思いますが、この人工飼料(クリルや乾燥餌などもそうですが)も当然湿気や酸化などにより鮮度が落ちます。
 生き餌でも安全でなく、病原菌に汚染されていたりするので気をつけなければなりません。
 人間もそうですが、悪くなったものを食べれば体調を崩すように魚たちも体調を崩します。

 なるべく餌は早く使い切る、蓋などをしっかりしめるなど、餌に対しても気を使いましょう。
 特に夏はへたすると開けてない餌でも保管場所によっては悪くなることもあるので注意が必要です。