第4章 いまさらながら、MIDIやGMって何?

 今までDTMとはどういうものか、やるために必要な物は何か、どのようにセッティングすればいいのか、なんかを見てきたけど、何回も「MIDI」とか「GM」という言葉がでてきましたね。
 実際、これらのことはパソコンでDTMを行っていく上で、非常に重要なものなんで、シーケンスの使い方や曲の打ち込み方の前に、もうちょっとだけ、勉強してみましょう。
 MIDIやGMのことを知っているか知ってないかで、DTMが全然変わってきますよ!

MIDIの誕生

 そもそもMIDI規格というのは、80年代初めに5つの企業が決定した(?)もので、以降数多くの企業やミュージシャンに支持される標準規格へと発展していったものです。
 ちなみにMIDIとは「Musical Instrument Digital Interface」を短くしたもので、楽器とコンピューター間のコミュニケーション用プロトコルで、電子楽器がその他の楽器やコンピュータなどのハードウェア・デバイスをコントロールできるようにするために生まれたものです。

 なんで、このような規格が必要だったかなんだけど、これはパソコンやOSと一緒なんですね、まだDOS時代だったころ、なんとかファイルの読み書きは共通にできるようになったけど、相変わらず、○士通のパソコン用のソフト、N△C用の・・・シ☆ープ用の・・・という風に、ソフトでもハードでも、その機種固有でしか使えなかったですね。
 この時代では、自分の作った文書や絵を他の人たちの他のパソコンで見てもらうというのは、非常に困難で、その流通というのはほんとにごく限られたものでした。

 シーケンスデータも同じで、同じ機種(というかソフト)で作ったデータは同じ機種を持っている人との間でしか、流通させることはできまなかったんですね。
 これは、制作者側だけでなく、聞く人を初め多くの人にとって非常に残念なことです。
 なんたって、その曲のシーケンスデータをみんなに聴いてもらいたくても、そのシーケンスデータが聴きたい曲であっても、同じ機種を持ってなければ聴くことができないんですね!
 このような中、シーケンサーやパソコンで作成したシーケンスデータを標準化して、流通させようという考えが出てきたのは、至極当然のことだと思います。

MIDIの利用方法とSMF

 シーケンスソフトを使って、電子楽器の演奏データ(MIDIデータ)をリアルタイムにコンピュータに録音することも可能です。
 もちろん、再生すれば、演奏者が演奏したように再生されます。
 このぐらいなら、テープやMDに吹き込んでも同じなんだけど、ここからがすごいところなんですね。

 シーケンサーはテープレコーダーとワープロのハイブリッドのようなもので、いったんコンピュータの中にMIDIデータとして取り込んでしまえば、間違った音やタイミングのずれなどを後から編集し、修正することができるんですね。
 楽曲のテンポや各音の長さ、ピッチ、そして再生時のサウンドなども変えることができます。
 これによって、ものすごく風変わりで、人間の演奏では不可能な楽節も作り出せるし、ミックスも自動的に行えます。クレッシェンドやデクレッシェンド、特定の音の強調なんかも簡単に表現できます。

 これらの作業が終わったらスタンダードMIDIファイルとして保存をします。
 この形式はさまざまなシーケンスソフトで読み込み可能な標準的なファイル形式なので、自分で作った楽曲をインターネットやパソコン通信といったネットワーク上にポストしておけば、たくさんの人に聞いてもらえることでしょう。

 また、ファイルサイズがかなり押さえられるという点は大きく、例えば、5分間演奏される曲の場合、オーディオファイル(WAV形式)では約44MBものサイズ(非圧縮)ですが、MIDIデータなら、かなり複雑なもので100KB以下(非圧縮)で済みます。このことは、ネットワークやフロッピーを介してデータのやりとりをするときの大きなメリットになります。

MIDIの不都合

 ここで、MIDIはあらゆる電子楽器で演奏データを扱えるようになったので、その役割は非常に大きなものがあります。しかし、音色や各種エフェクトについては、決められていないため、多くの人々をたびたび混乱に陥れる曖昧な点がいくつかあります。
 まあ、当時はメーカーによって、というか同一メーカでも機種によって搭載されている音色の並び、数ともばらばらだったんですね。これは、シンセサイザーというのが、もともと音を作り出すためのものだったんで、あたりまえといえばあたりまえなんですけどね。

 まあ、このことは、なにも知らない人はものすごく混乱したと思いますよ。だって、友達の家で聞いたすばらしい曲のMIDIのデータをもらって、自分の家のシンセサイザーやパソコンで演奏させたら、本当はフルートの美しいメロディが流れるはずが、爆発音の音で再現されるというふうなこともありますからね。
 きっと、なんの曲かさっぱり分からないといったことは日常茶飯事だったと思います。逆にこのような状況だったんで、他の機種のデータを別の機種用に作りなおすという、データ移植の達人みたいな人が活躍してたんですよね。

 あとエフェクトもそうですね。普通のシンセサイザーならエフェクトは数十種類とかあるけど、MIDIで一応指定できるのは、代表的な5種類しかないですもんね(さらにGM規格で指定できるのは一つもないという。ただ、音源によってはりバーブとコーラスなんかは利くみたいだけど)。
 まあ、今発売される音源の多くは、このエフェクトなどの機能が豊富に搭載されているものが多くて、システム・エクスクルーシブ(機種特有の機能を使うためのコマンド?)という呪文みたいなもんを唱えてやれば細かい設定までできるみたいだけど、豊富なエフェクトなどの機能の多くが、プログラムチェンジやコントロールチェンジみたいに簡単に使えないのは痛いですよね。

GMの登場

 こんな中で、他の機種で作ったMIDIデータを別の機種で演奏させても、ある程度同じように聞こえるような規格を作ろうと動いていったのは至極当然のことだったと思います。
 とりあえず、音源のメモリー内の音色のレイアウトの標準を作る必要があり、1991年にジェネラルMIDI(GM)というものが設定されました。
 これは必須の128音の楽器音と47の打楽器音の音色と場所が定めてあり、さらに必須条件として、最小限の同時発音数なども指定されています。

 これで、ピアノのパートはピアノ、フルートのパートはフルートといった音色で演奏されるため、前のようになんの曲か分からんといったこと自体は無くなってきていると思います。
 まあ、このGMも完全ではなくて、あくまでも似たような演奏ができるといったもので、演奏データは一緒でも、音色自体(音色のキャラクター)は音源に依存しているので、当然おいらたちに聞こえてくる音も変わります。
 特に、シンセFXなんかのシンセ系の音色は音源を造っているメーカでかなり違うんで、曲の感じはがらりと変わります。

 まとめると、GM規格というのはシーケンスやコントロール面のMIDIのルールを当然包括しながら(全部使えるというわけではない)、シンセ(音源)側の音色や場所、同時発音数などをも定めた規格をいい、それに準拠した音源をGM対応音源(略してGM音源)という、ということになるでしょうか。

 じゃあ、GS音源やXG音源はなにが違うかなんですが、基本的に音色の数、エフェクトの種類、同時発音数、その他etcがGM規格とちょっと違うといったところで覚えとけばいいんじゃないでしょうか。
まあ、本当はそんな簡単なものでなくて、GS、XG規格ともGM規格に比べかなりの拡張がされているので、拡張分については、まったくGM規格のものでは再現できず、かなり違った曲になる可能性もあります(特にシンセFX系、後はエフェクトですね。これはあるとないとじゃえらい違いです)。

 ただ、どの音源でも、メーカーや機種によって同じ楽器の音色でも、音質、キャラクターが微妙?に違っているんだから、おいらとしては五十歩百歩じゃないかな、と思っています(それでも、GS、XG音源がほしいおいら)。

 まあ、ほとんどの人は趣味でやってるでしょうから、後は、音質や同時発色数、機能なんかをどこで妥協するかですね。
 まあ、違いに興味がある人は、とりあえずソフトウェア音源の体験版でもインストールして聞き比べてみてはいかがでしょうか。まあ、GM、GS、XG規格のどれかをもってれば、MIDIデータの演奏はなんとか可能なんで心配しないでください。
 ただし、XGやGSの機能バリバリ使ってあるデータは、他の規格で再生させると著しく再現性が落ちますけどね。

〜第4章 End〜