第9章 DTM基礎・パンポット、リバーブ/コーラス編

 この章では、音の位置を設定するパンポット、音の余韻、厚みを持たせるリバーブやコーラスなどの機能や使い方などを見ていきましょう。

 パンポット、リバーブ、コーラスはボリュームやエクスプレッションでも使用したコントロール・チェンジで設定することができます。
 これらの機能は使うとかなり曲の感じも変わるし、ぜひ知っておきたい機能です(せっかくあるなら使わなきゃ損ですよね)。

パンの機能と使い方

 パンポットは音がどの位置を設定する、つまりステレオ効果を出すための機能です。
 なにもしないのなら、真ん中に設定され、音は左右とも同じ音量?でスピーカーから出されます。

 設定はコントロール・チェンジbP0を使い、値は0〜127を指定します。
 中央は64で、一番左端に音を設定する場合は0、一番右端に設定する場合は127を指定すればいいですが、実際ほとんどはコントロールチェンジを手で入力してやるんじゃなく図9−1のようにフェーダーやつまみをドラッグして設定してやります。
 あたりまえだけど、設定はチャンネル単位で行うので、例えばピアノ曲で伴奏とメロディを左右に振り分けて演奏させるときなどは、データを2チャンネル(2トラックじゃなくて)に分けないと、できないです。

図9−1 ミキサーウインドウ

 使い方は、大きく分けて2通りの使い方があって、1つ目は曲の頭でパートごとに音の位置を決めてやる使い方です。
 例えば、ボーカルパートは中央、ドラムスはやや左より、ギターは右端・・・という風にですね。
 オーケストラの曲ならその構成に合わせてもいいし、ピアノならメロディを右よりに、伴奏を左寄りにしたり、実際の演奏と近い形にしてもいいですし、既成にとらわれず自分の好きなように設定してもいいですね。

 もう1つの使い方は、短時間で音を右左に移動させたり、効果音を右から左に流したりと、リアルタイムに音の位置を変化させる使い方です。
 使い方によってはかなりおもしろい効果が出せると思います。

 では、実際にMSSを使用してパンポットの設定を見ていきたいと思いますけど、他のシーケンサー・ソフトでもにたような操作でできると思います。

 最も簡単なのは、ミキサーウインドウボタンを押して、ミキサーウインドウを開いて、パンのつまみをドラッグして設定してやります。
 この図9−1を見れば分かりますが、ミキサーウインドウではボリューム、パンポット、エクスプレッション、リバーブ、コーラス、EFX(GSやXGで使えるバリエーションなど)がフェーダーやつまみでリアルタイムに設定できます。
 レコーディング中に動かしてリアルタイムに効果を記録することも可能です。
 VOLとか書いてあるところをクリックするとフェーダーとつまみを切り替えることができるので、時と場合で使いやすい方を使ってください。

 イベントリストで入力する方法もあり、設定はコントロールチェンジbP0のパンポットを選択し、0〜127の値をしていするだけど、MSSを使っている場合は、ほとんどミキサーウインドウで指定して、メニューの実行−トラック初期化情報の入力でデータ挿入を行うのが一般的ですね。

 下はパンポットのサンプルファイル(「きらきらぼし」渋いな〜)ですが、聞き比べればその効果が分かると思います。

サンプルファイル1 きらきらぼし
             標準データ
smp09-01.mid

サンプルファイル2 きらきらぼし
             パン情報挿入データ
smp09-02.mid

サンプルファイル3 きらきらぼし+ヘリコプターの音
             パン情報挿入データ
smp09-03.mid

サンプルファイル9−3の作り方

 サンプルファイル3のように音が左右に行ったり来たりするようなデータはどのように作るのでしょうか?
 イベントリストで地道に入力してもいいし、リアルタイム録音でフェーダーを左右にドラッグしてもできるかもしれませんが、ここはMSSの便利な機能を使ってスマートにデータを作りましょう。

 おいらはシンセサイザーのSY99を持ってるんだけど、これはダイナミックパンというプログラム化されたパンが内蔵してあって、複雑な音の位置の変化を簡単に表現できるんです。
 GSやXGでもバリエーションで同じようなことができるんだけど(たぶん)、ここは互換性が高いパンポット(パンポットの機能はGMでもOKなんで)を使って表現しましょう。

 図9−2のように、MSSのメニューの実行−クリエイトコントロールでデータを作って(クリエイト)やるだけなんですね。
 パンだけじゃなくてあらゆるコマンドの連続データを簡単に作れるので、ぜひ覚えておきましょう。

図9−2 クリエイトコントロール・ダイアログ

リーバーブ/コーラスとは

 実はリバーブやコーラスというのはMIDIの規格ではコントロール・チェンジbX1,93という風に割り当てられてるんですけど、GM規格では特に使えるように指定はされているわけじゃないんですね。
 GS規格やXG規格ではこの機能が使えるよう規格の中で決めてあるんで、この規格の音源を持ってるなら100%使えますけどね。
 ただ、今出回っている音源で、リバーブやコーラスが使えないGM音源ってまずないんで、気にしなくてもいいんですが・・・

 で、リバーブやコーラスはどんな効果があるかなんだけど、リバーブというのは、音に残響や余韻を持たせるエフェクトで、例えばホールなんかで演奏を聴くと艶があるというか、余韻が効いてますよね。
 この効果を出すのにリバーブというのを使いますが、かかり具合は0〜127の範囲で設定してやり、0でまったくかからない、127でマックスかけることができます。

 コーラスは合唱のコーラスと同様に音に厚みを持たせるエフェクトで、やはり0〜127の範囲で指定します。
 パンやボリューム同様チャンネル単位で設定できます。

 実際に聞いた方が一発で分かると思うので、サンプルファイルを聞いてみてください。

サンプルファイル4 きらきらぼし
             リバーブ追加データ
smp09-04.mid

サンプルファイル5 きらきらぼし
             コーラス追加データ
smp09-05.mid

 効果のかかり具合分かりましたか?

 はるか昔?は、リバーブやコーラスの効果を出すために同じ音色の音を少し小さくして、さらに少しずらして演奏させる、重ねるなどのテクニックを使う方法が一般的だったんですけど、今は簡単にエフェクトがかけられますよね。

 で、リバーブやコーラスを使う上での注意点として、一般的に使い初めの頃は効果が楽しくって、エフェクトをかけすぎることがよくあります。
 演奏を聴くとかなりうるさい感じになるし、音が埋もれてしまうこともあるので、かけすぎには注意しましょうね(体験談)。
 あと、曲を作ってる最中は極力エフェクトをかけずに、完成段階で調整するようにした方がパートごとのまとめがしやすいと思うので、参考までに!

〜第9章 End〜